服が重い…
ジークは冷たい波に流され、重くなった体を起こした
立ってはみたもののジークはフラフラしている
頭を『コツン』と叩いて首をふると
だんだんジークの視界が戻ってきた
「ははっ…ずいぶん流されたな」
あたりを見渡せばさっきの炎は消えていて真っ黒な木だけが残っている
「グラン?何処?」
ジークはかすれた声でグランの名前をよんだ
濡れた髪と服がジークの体温と体力を奪ってゆく
体力の消耗が激しく魔術を使うことの出来ないジークは髪の水を絞り後ろにまとめた
あいにく服は寝巻きではなく普段着だった
あの後疲れてすぐに眠ってしまったからだ
上のパーカーを脱いで髪と同じように水を絞り、腰に巻いた
ふぅ…息をはいたジークが城へ向かおうとした時…
「________ジーク___」
聞き慣れた声がしてジークは慌てて振り返った
「グラン!」