その手の中にあるもの・・・




そんな、胡散臭いキャッチコピーが書いてある看板が目に入る。



周りを見渡せば、綺麗な高層ビルが立ち並ぶオフィス街。



綺麗なデザインの看板なのに、そのキャッチコピーのせいなのか浮いて見えるその看板。



普段ならば、そんな看板は素通りなのだけど今日は違った。



『あなたの願い・・・』



少しくたびれたスーツを着て、長い髪の毛をまとめた姿は世間でいう【就活生】の姿をした私。



卒業式まで、あと10日。



それを過ぎたら、所謂【就活浪人】になってしまう私。



肉体的にも精神的にも追いつめられていた私は、そんな胡散臭い看板に吸い込まれるように、そのオフィスの扉を開けた。