死んだら天国だなんて、嘘だ



上を向く冬夜。間を置き、自身の墓に触れる。


「天国に、行けなかったんだよ……」


想いの残留。
行き場がない愛情――伝えられない想いを持ったまま、無限の時を得た背中は切な過ぎた。


「きっと彼女は、俺が天国にいると思っている。信じている。うん、俺も――信じていたんだ。

なのに、“これ”だ。ずっとずっと、彼女を想ったままだ。何年、何十年……!寝ることも出来ない身で、ずっと彼女を想い続けている。報われるわけなんかない、でも“もしかしたら”と、この行き場のない想いを成就させたくなる」


やり場のない想いに可能性を。死者である自身が、生者である彼女に『ここにいる』と伝えるには。


「“最悪”になったんだよ、俺」



彼女に『死んで欲しい』だなんて――