「冬夜(とうや)って言うんだ」
「稲見冬夜さんですか」
「そう。君は?」
「……」
「死んだら仲良くなれるかもしれないんだから、自己紹介ぐらい、いいじゃない?」
「……。頬白(ほおじろ)です」
「変わってる」
「変わってますから」
つかみ所の分からない少年だと、冬夜は苦笑いをする。
人間味――優しい人間らしさを持つ冬夜が、本当に『呪い』であるのかと頬白は目を細めた。
人を呪う霊。
生きた人が呪いを行使しても効き目があるのだ、霊がすればなおのこと。体がない彼らの想い(恨み)は、直に届く。
「あなたが、殺したんですか」
「……」
寂しげな笑顔を返される。
『やりたくはなかった』と自嘲してしまうような“諦め”。


