墓に座る男を見上げるは、まだあどけない顔つきをした少年であった。 そんな少年の物言いに、男は首を傾げる。 「霊見たら、悲鳴上げるものだけど?」 「見慣れているんで」 「霊感少年?」 「違います。因みに、自殺志願者でもありませんから」 「近づけば死ぬって場所に、丑三つ時を狙って来るだなんてそうとしか思えないよ。俺が“何”とも知っているようだし」 笑みを絶やさぬ男。生前はさぞや美丈夫であったのだろう。霊特有の顔色の悪さがなければ、まだ見れる顔であるのに。