死んだら天国だなんて、嘘だ



「人が生きるために必要なものは、三つ」


声帯が機能するなり、頬白は言葉を紡ぐ。


「肉体、生命、霊魂。肉体とは容器。生命とは源泉。霊魂とは思考。

生命があってこそ肉体が活動し、肉体があってこそ霊魂は留まり、霊魂があってこそ生命が意味を為す」


少年が纏うには不釣り合いな威圧感。恐れを抱く一方で、どこか安心してしまう冬夜は悟る。


「次代転生においてもこの三つが揃わねば、人にならず。――ワタシの仕事は、転生のサイクルを滞りなくすることであり、あなたのような居残り続ける魂は目障りでしかない」


いつの間にか、頬白の手には鋏が握られていた。


夜闇でも鋏と分かる大きさ――少年の半身はあろう巨鋏がかちゃりと鳴る。