死んだら天国だなんて、嘘だ



「はは。すごい正義感だね。見ず知らずの誰かを助けるために犠牲になるんだ」


「違います。見ず知らずの誰かのために死ぬだなんてやりたくない。そうして正義感でもなく、これはワタシの“仕事”であり――」


冬夜の指が、頬白の首に食い込む。声すらも出せなくなる一秒前。


「あなたはもう、“見ず知らずなんかじゃない”」


見ず知らずの人間なんか助けない。けれどもあなたの顔と声を知ってしまったから――無視するわけにもいかない。


「君……人間じゃないの?」


首に食い込む指が緩む。霊なりの直感とも言うべきか、殺せる感覚が普通のそれと違う。


もしや、自分と同じかと思えど――


「こんなに、温かいのに」


そうして、誰かのために泣ける優しさを持った少年。