それに梨恋にはもう一つだけ不思議に思っていることがあるのだ。梨恋が部屋に入ったとき、その女性の腕あたりがキラリと光った気がしたのだ。だが何分後かに見に行くと、どうにもなっていなかった。「気のせいかな」とは思ったが、それと同時に「いや、見えたはず」とも思うのだった。