「なんかいいね。美織の話聞いてたら私ももっと旦那としたくなっちゃった。子供産んでからあんまり気乗りしなかったけど、ちょっと考え直そうっと」
そんなコトを言って笑いながら佐知は起きたノリちゃんを抱っこして、帰る私を見送ってくれた。
そして最後に
「社長によろしく。今度はふたりで遊びにおいでよ」
と言って、茜色の秋空の下で大きく手を振ってくれた。
楽しかった友人とのひとときを終えて帰ってきた私を
「おかえりなさい、美織さん」
紗和己さんはニコニコと待ち兼ねていたかのように出迎えてくれた。
「佐知さんお元気でしたか」
ダイニングで一息ついた私に、ほわりといい香りのアップルティーを入れてくれて紗和己さんが向かいに座った。
「うん、とっても元気。相変わらずだった」
「それは良かったですね。赤ちゃんは見てきました?」
「うん。すっごく可愛かったよー。目元が佐知にそっくりなの。プニプニでね、ホント天使みたい」
「いいなあ。僕も見たかったです」
子供が好きな紗和己さんは本当に羨ましそうにうっとりと目を細めて言う。
「佐知が今度はふたりでおいでって。
もうちょっと落ち着いたら次は一緒に行こうよ」
そう声を掛けようとして、思わずはたと口をつぐんだ。
さっき、佐知に思いっきり赤裸々な紗和己さんの話をぶちまけてしまった事を思い出して。
「…次は一緒に行こう。ほとぼりが冷めた頃にね」
「ほとぼり?」
「あ、なんでもない」
ちょっとだけ恥ずかしい罪悪感に、ゴメンねと口の中で謝罪を呟いてアップルティーで流し込んだ。
不思議そうな顔に、照れた笑いを返して。
---…おねだり、勇気出してしてみようかなあ。
なんて。
今夜はふたりでもっと果てしない恋に堕ちようと企んだ。
.。.:*・゜おわり゚・*:.。.



