じれったい程の唇とうらはらに。
彼の熱とひとつになる時はその大きな身体に包まれて、いっぱい過ぎるほど私は紗和己さんで満たされてしまう。
開いたまま私を映すことを止めない瞳も、シーツに押さえつけるように絡めた指も、揺れる髪の隙間から流れる汗も、聴こえる低い音の吐息も。
紗和己さんはとっても“男”になる。
彼を好きになって。
日々募る想いの終着点はどこなのだろうと時々考える。
でもきっと。
彼の熱に呑まれてキュウキュウと鳴く心と身体に、そんなものは無いのかもと思う。
私にしか見せないその顔に、何度だって恋に堕ちてしまうのだから。
「んで、どうなの?」
「へ?」
頬を赤らめたままふわふわと甘い思考を漂わせていた私を、佐知が現実に引き戻す。
「美織は社長とのエッチに満足してるわけ?」
夢心地から突然の直球ストレート。佐知、もうちょっと言葉選ぼう。
「してないなんて言ったらバチが当たるほど満たされてるよ」
彼女の直球に苦笑いを零しながら答えて、お茶を一口飲んでからもう少し付け加える。
「…私、紗和己さんと付き合えて本当に良かったなぁ。じゃなかったらセックスの意味も幸せもこんなに分からなかったと思う」
ほんわり呟くように言ってしまった私に、佐知が
「うわ、超のろけ」
と眉間にシワを寄せながらクククと笑った。



