紗和己さんごめーん、と頭の隅っこで謝りつつ、私も段々トークが滑らかになっていく。



「うん、毎回そんくらい。だから疲れてる時とか次の日早く起きなきゃいけない日は自動的になくなる感じ」


「おざなりなのは絶対しない主義なのね。社長らしいねー」


冷たいほうじ茶の入ったグラスの氷をストローでクルクルかきまぜながら佐知が感心したように言った。

熱い会話に氷のカラカラ音がクールダウンに響く。


「出るよね、性格。すっごい愛されてるって痛いほど感じるもん」


「丁寧で情熱的と見た」


「当たり。なんだか申し訳なくなるほど丁寧なの」


そう口に出しながら、昨夜も丁寧だった彼のそれを思い出し、うっかり頬が染まった。あ、ヤバい、恥ずかしい。


それを見逃さない辺り、さすが佐知。


「ふんふん。てコトは前戯が長いんだ」


「うわ、ダイレクトな単語。でもその通りだけどさ」



あー紗和己さんごめーん。すぐ側で寝てるノリちゃんも、暢気に飛んでるトンボも、みんなごめーん。


でももう盛り上がったオトナのガールズトークは止まんないのです。