「実羽さん!!」

傘をさして人混みを抜けて、こっちに向かってくる富樫くん
走ってきたのか息が荒い



「遅くなってすみません、とりあえずどこかに… あそこに行きましょう」


周りを見渡すと、ここから少し離れたところに神社があった

富樫くんは傘にあたしを入れてくれた
肩が触れ、少し速くなる鼓動


神社には雨宿りをしている人が数人いた



"雨天の為、花火の打ち上げを一時中断させていただきます"

というアナウンスが聞こえてきた


ふと富樫くんを見ると…



「あれ?眼鏡は?」

今日は眼鏡をかけていなかった