「そう…だよね。そっそれじゃ」

女の子が走ってきた

やばっ!
あたしはできるだけ端に寄ってしゃがんだ
あたしに気付かないまま女の子は走って
階段を降りていった

危なかった…
安堵していると



「はぁー…めんどくせぇな」

めんどくせぇな?
そんな声と共に扉が開いた

お願い気づかないで…



「盗み聞きってイイ趣味ですね」

そんな祈りも虚しく…
顔を上げると
眼鏡をかけている男の子が


「ごっごめんなさい…えっと、ここ来たら
会話聞こえてきちゃって」