「それじゃあ、行くね…向こうで待ってるよ」

涙を堪えてゲートに向かおうとすると…




「待って」

腕を掴まれ引き寄せられた

触れるだけのキス…




「忘れ物…あと、これ飛行機の中で見て」

小さな袋を渡された
中身はわからずあたしは頷いた




「それじゃ、元気で…」

もう一度、抱き合ってハルと別れた


飛行機に乗って渡された紙袋の中を覗いた
中には小さな箱
開けてみると…




「えっ…嘘」

思わず声が漏れた

小さい箱の中身は指輪
カードも入っていた


"左手薬指に"

ぶっきらぼうな言葉

それでもすごく嬉しくて指輪を眺めた