表と裏の恋





「実羽さん、お父さんは?」

ソファに座ると小声でハルが尋ねた




「お父さんは今出張でいないの」


「さぁご飯にしましょ。実羽運んで」

リビングに作りたてのご飯が並ぶ



「さぁ悠くん、遠慮しないでじゃんじゃん食べてね」


「はい、いただきます……わっ美味しいです」


「そう良かった。これもどうぞ」

お母さんが次に勧めたのはグラタン




「ありがとうございます」

ハルはグラタンを口に運んだ
あたしはドキドキしながらそれを見つめた

そのグラタンを作ったのはあたしだから…
お母さんの料理に比べるとあたしの料理はまだまだ…




「美味しいです。これ作ったの実羽さんですね」