そして放課後になり、帰り支度をして昇降口に向かうと…
2年の下駄箱の壁に寄りかかっている男の子が
もしかして…
「どうも、大高先輩」
予想通り…富樫くんだった
眼鏡をかけた表の顔で
「…何か用?」
「実羽が言ってた1年って、この子のこと?」
隣にいる舞香があたしにしか聞こえない声で
聞いてきて、あたしは頷く
「大高先輩と一緒に帰ろうと思ったんですが
友達と一緒に帰るなら、仕方がないですね」
と眉毛を下げて言った
「めっちゃいい子じゃん! 帰んなよ、実羽」
「ちょっと!舞香!?」
違うんだよ!舞香!
こいつには裏の顔があるんだよ!
と言いたいけど…
なにやら威圧的なものをあたしに向けていて
言えない…

