DECIMATION~選別の贄~

新しく建てたホテルなのか外装、内装共に綺麗でエントランスはあまり主張しすぎないお洒落なアジアンテイストなものであった。

羽田と安岡はすぐさま受付へと向かっていった。そこには二人の従業員がいた。

「いらっしゃいませ」

一人は従業員用の制服を身にまとい、羽田や安岡がパトカーから降りてきたことを知っており目を伏せるようにして立っていた。

お客様を迎えるであろう少しトーンの高い声で出迎えた男は、制服ではなく高そうな腕時計をまくったワイシャツの袖から覗かせており、店長の肩書が書かれた名札をしていた。

「お生憎と今日は客じゃなくてね、安岡」

「はっ」

羽田の一声で安岡は胸ポケットから警察手帳と、サイドバックから捜査令状を取り出した。

「警視庁捜査一課の安岡と羽田と申します。この度はある事件についての重要な情報がこちらにあるのではないかと、少しお話を伺いに来ました。

今いる従業員はこちらの二人だけでしょうか?」

「……捜査一課。警察?」

安岡の言葉に店長の中富は冷や汗をかいていた。

「今ベッドメイキングに行っているいる者と、あと一人今日は非番の者に私を含めて四人のスタッフで運営しております。う、うちの店になにかあったのでしょうか?」

「こちらを利用されていた方の中にある事件に関わってらっしゃる方がおられまして、そうですか非番の方にもお話を伺いたかったのですがまたの機会に伺わせていただきますので、後程シフトを教えていただいても宜しいですかな?」

同じ刑事でも羽田と安岡では凄みというか圧力というか、一言の重みが違う様で中富は緊張からの薄ら笑いを止められずにいた。

「あ、はい。中田くん後で北川くんの次の出勤見てきてくれるかい?」

「はい、店長」

中田はそう頷き、羽田たちを怯えるように見つめていた。

そんな眼差しももう慣れっこで、羽田は特に気にせずに淡々と話を進めていく。

「それじゃあ、ちょいと皆さんにお話を聞いていくとしますかね」