DECIMATION~選別の贄~

波多と安岡は調書によって得た、被害者と今回の事件の容疑者が利用したであろう市内にあるカップルズホテルへと向かった。

「うえ?えぇえ?」

ベッドメイキングをしていた小林が開け放していた窓の外で、パトカーが入ってくることに気がついた。

「ちょ、中田さん警察。警察ですよ!

なんかありましたっけ?」

中田もパトカーが駐車場に停るのを見て、顔をしかめた。

「わっかんないわよ。

まあ、でも今日はたまたま店長がいるから私たちにはあんまり関係ないんじゃないかしら?」

そう言いながら室内のゴミ箱をひっくり返して、清掃用のダストボックスにゴミを捨てた。

「ガサ入れですかねー。これでもしうちで違法行為があったら僕らどうなるんでしょうね?」

小林は新しいシーツをピンと張りながらそんな呑気なことを口にしていた。
中田は呆れたようにため息を吐き、次の部屋の清掃へと向かうのだった。


駐車場にパトカーを停めた波多と安岡はすぐさまそのホテルへと入っていく。

「なんかあれですね。男二人でこんなとこ入るなんて変な感じですね」

「阿呆かお前は。冗談言ってる場合でもねぇだろうがよ」

羽田の言葉に熱はなかった。

安岡はホテルの入口に近づき気持ちを切り替える。

「ほぉ」

その顔は波多がわずかでも感心する刑事の顔であり、もはや激を入れる必要のなさをありありと物語っていた。

「ここで何かきっかけが掴めれば、事件の捜査が進展する可能性が出てくる。慎重にいきましよう」