「俺、何やっても流生には勝てないんだよね」
「そう、ですか?輝先輩も結構すごいと思いますけど…」
流生先輩に並んで容姿端麗だし、頭もいいし、運動神経もいいし…言うことないでしょ?
「ん、他人から見れば…そうかもね」
「え?」
「俺ねー、絶対流生を越せないんだよ。どう足掻いても、頑張っても、あいつには勝てない」
自嘲的に笑う先輩に、私はなんだか…変に共感してしまった。
私も、中学生のとき…そんな子がいた。成績優秀でいつも一番。運動もできて、おまけに顔立ちもいいから目立つし、いつもみんなのリーダー的存在だった。
どう頑張っても、その子は抜かせないし、必死に勉強をしてもいつも2位止まりだった。
おまけに私は運動が苦手で、いつもみんなの足を引っ張って失敗して…。
なんのいいところもなかった。

