金持ちくんと貧乏ちゃん




「まあ、言い争ってた声聞こえてたしね」


「それにしても…」




声だけじゃ何されたかなんてわからないのに……。




「俺さあ、」




不意に視線がこっちに向き、ドキッと心臓が波打った。




「流生に渡したくないんだよね、俺が最初に見つけたのに」


「え…?」




なんの突拍子もなく言われ、戸惑う。


見つけた…?渡したくない……?




「だから、流生に宣戦布告してきた」


「せ…宣戦布告…?」




目をパチクリとさせると、まじめな顔をした先輩が目に映る。




「―――輝様、着きました」




運転手の人が控えめにそう声をかけてきた。