金持ちくんと貧乏ちゃん




きゃっきゃする女の子の群れをくぐって、教室の中に入ると意外なヒトが私の席に座っていた。




「え…、輝先輩っ!?」




横にいる玲菜がそう声を上げて、私はただ呆然と輝先輩を見つめていた。


な、なんで輝先輩がここに…。しかも私の席に……。




「あ、来た来た」




輝先輩は私を視界に入れるなり、そう言ってにっこりと笑った。




「せ、先輩…?何でここに…?」


「ん?樺恋ちゃんを迎えに」


「へっ…迎え……?」




目をパチクリとさせていると輝先輩は立ち上がって、私の腕をつかんだ。




「じゃあ…、行こっか」


「えっ!?どこにっ!?!?」