金持ちくんと貧乏ちゃん




「あんまり自分だけで溜め込んじゃだめだよ。あたしも居るんだし。言いたいことあるならちゃんと言って」


「玲菜…」




心のどこかで、セーブしていた気持ちがこうして玲菜に打ち明けたことで軽くなった。


今まで溜めるばかりで何もできなかったから…。




「玲菜…ありがとう。私玲菜と友達になれてよかったっ」



にっこりと笑みを見せれば一瞬驚いた顔をされたけれど、玲菜も優しく笑ってくれた。


うん…もうこれからは溜め込まない。玲菜が…居てくれてるから。




「うん。…あたしも、樺恋と友達になれて嬉しいよ」




すると不意にチャイムが空き教室に鳴り響き、私は壁にかかっている時計を見た。




「う、うそ…。6時間目終わった…!」


「ん?ああ、ほんとだね」




ど、どうしよう…!私…午後の授業全部サボっちゃったよ……!!