「金じゃ買えないものが世の中にはたくさんあるんだよ」
「玲菜…」
そんなセリフ、漫画のなかだけだと思ってたけど…本当に聞けるとは…。
いや、そうじゃなくて。
「お金がありすぎても困るってか」
「まー、そうゆうことっ」
パチン、と可愛らしくウィンクを見せられ「あー、わいいですよ、スゴく」と言えば「棒読みでもありがとう」と気丈に振る舞っていた。
なんだかそんなくだらないやりとりをしていて、ふたり同時に吹き出した。
私たちなんでこんなことしてるんだろう?
「ふふ…。ちょっとは気が楽になった?」
「…え?」
机に肘をついて、お母さんみたいな目つきで私を見てくる玲菜。
なんだかちょっと、恥ずかしい…。

