金持ちくんと貧乏ちゃん





なんとも言えないような顔で笑うから、胸がぎゅっと締め付けられた。




「だから、何かあったら言ってね。相談に乗るから!」




玲菜になら…、なんでも話せるような気がする。


教室に戻ろう、と踵を返す玲菜の腕を掴んで「待って…」と止めた。




「樺恋?」


「あの…、」




言葉を一度区切って、玲菜の手を握ってる手にきゅっと力を込めた。




「…ゆっくりでいいよ」




そう言って近くにあった椅子を引き、座るように促した玲菜。


ちゃんと…話さなきゃ…。




「あの、ね…さっき…―――」




あったことをすべて話した。わたしが人と関わるのが苦手だっていうことも、流生先輩に…キス…されたことも。


玲菜は相槌を打って、真剣に最後まで聞いてくれた。