「何かあったの?樺恋」 「…え?」 キョロキョロとあたりを見渡していたら、なんの突拍子もなくそう言われた。 「な、んで…?」 「…だって、樺恋が授業をサボるなんてありえないし…」 まあ…、少しでも授業を遅れてしまうとわからなくなりそうだから…。 「それに……」 「ん…?」 「目、少し赤くなってるから…」 まっすぐ目を見つめられ、思わず玲菜から目を逸らしてしまった。 ああ、こんな態度じゃすぐにバレる…。 「…言いたくないなら、無理には聞かない」 「玲菜…」