-流生 side-



―――…廊下を歩けば女、女、女。


コイツらは人の行く手を塞いで、鬱陶しい。原因は…ほとんど俺の横に居る奴のせいなんだがな。




「流生くーん、そんなに眉間にシワ寄せてると老けるよ〜?」


「うるせェ…。誰のせいだと思ってんだ」


「うわ、心外だなぁ。これが俺のせいだって言いたいの?」


「違うのかよ?」


「半分は流生くんだからね。まー、俺ら、ある意味有名じゃん?仕方ないっていうか~」


「チッ…邪魔…」


「あー…聞いてないねー…」




後ろで項垂れる輝を放って、歩き進める。


どこから声出てんだよ?うるせェったらありゃしねぇ…。


甲高い声で俺と輝の名前を呼んで、目をハートにさせて、何がしたいのか分からない。


女の考える事なんて、俺にはわかりかねる。分かりたくもねぇけど。




「流生くんさぁ…顔は良いのに、性格残念だよね」


「あ?お前に言われたくねぇよ」


「何でさー?俺、性格超良いじゃんっ?」




ドヤ顔して肩に手を置いてくる輝の手を払って、鼻で笑ってやった。




「お前の性格が良いなら、俺だって性格良くなるぜ」