「…ってい」
「あ?」
ぎゅっと拳を握って流生先輩を睨み付けた。
「最低っ!どうせ好きでもなんでもないくせにッ!そうやって“言葉”だけで縛り付けて!!」
「……」
「そう言えば何でも手に入ると思ったら大間違いですから!!」
もう二度とここには来ませんっ!!そう吐き捨てて本校舎まで走った。
最悪、最悪最悪っ…!あんな人の言いなりになるくらいなら退学になった方がマシ……!
零れる涙を乱暴に拭って屋上に向かった。
ちょっとでも気になるって思った自分を恨みたい。あんな男…っ、死んでもすきになんかなるか…!!
重たい屋上の扉を開き、壁つたいにしゃがみ込んだ。
「最っ悪……っ」
なんで私なの…。もっと可愛くて美人な人の相手してればいいのに…。
「なんでこんなに悲しいの……っ」
溢れ出る涙はとまらなくて、ずっと頭の中を支配するのは流生先輩だけだった…―――