金持ちくんと貧乏ちゃん




「誰かと居ることにメリットとか必要あんのか?」


「……っえ…」




きっと怒られる、と身構えていた私は流生先輩のその言葉に拍子抜けした。


どういう……?




「お前の人生ってそんなもんなのか?メリットで人選んで、何か楽しいのか」


「…っな、にを……」


「可哀想なやつだな。今まで見た目だけで人選んで来たんだろ、どうせ」




そう、ズバリと言い当てられ何も言えなくなった私は下唇を噛んだ。


…そうですよ。人を選んで、いつもニコニコして。この学園に入ったのも、特に理由はない。ただ、制服が可愛かった。それだけ。


だって金持ちの人と、貧乏人の私じゃ釣り合わない。せいぜい金持ちの人に迷惑をかけずに過ごすこと。


先輩と関わることなんて、ないと思ってたのに。