金持ちくんと貧乏ちゃん




“お前を特別に俺の女にしてやるって”


確かにそう言われはしたけれど、きっと冗談だろうし、私をからかって遊んでるだけに違いない。




「きっとそれ関係ないですよ。流生先輩が私に興味あるハズ無いです」


「そーかなぁ?キョーミなきゃここにも入れないと思うけど……」


「いつもの気まぐれなんじゃないですか?」




私はお弁当箱をしまって、部屋にかかっている時計を見た。


もうすぐ、昼休みが終わる。




「それじゃ、私教室に戻りますね」


「あー、うん。いつも遠いとこご苦労さま」




輝先輩にそう言われて苦笑いして部屋を出た。


まあ…遠いし、イマイチ私があそこに行く理由もわからない。昼休みは玲菜と一緒にお弁当食べたいのに…。


はあ…、と途方のない溜め息をつくと背後から「おい」と不機嫌な声が聞こえた。