「で、どうしたの?」



シャーペンをくるくると回しながら玲菜にそう聞いた。


玲菜は、待ってましたと言わんばかりに嬉々として振り向いた。




「【窪内 輝(くぼうちひかる)】先輩!城ヶ崎先輩と同じクラスで、幼馴染みなの!んで、城ヶ崎先輩に勉強もスポーツも容姿も、兎に角いろいろ負けず劣らず!」


「……凄いんだね、2人共」




なんだか、住む世界が違い過ぎてそれくらいしか言えないや。




「何言ってんの樺恋。あんただって成績上位者で容姿端麗じゃない」


「!?…ま、まさか。勉強は確かに出来るかもしれないけど…容姿端麗なんて…無い無い」




シャーペンを左右に振ってあり得ないと連呼していれば、何故か玲菜に溜め息をつかれた。




「まぁ、その辺は置いといて…。窪内先輩居るなら先輩と関わりたいなぁ」




なんてうっとりとして言う玲菜に、今度は私が溜め息をついた。


まず、先輩とは校舎が違うのだから会いに行くには私達がいる北校舎から南校舎に移動しなくてはならない。


移動があるとするなら…南校舎のグラウンドを使う体育の授業くらいだ。




「いいなぁ、城ヶ崎先輩…。窪内先輩といつも一緒に居るもんなぁ…」


「何それ…」




苦笑いをこぼして玲菜を見つめた。




「だって羨ましいじゃん。あたしも窪内先輩の隣に並びたい…」


「切実に思いすぎだよ」


「窪内先輩の良さを知れば分かるよ!」




そんな力説されても…。


そういう思いでまた苦笑いをこぼした。