そんな…。じゃあ、あの人には逆らわない方が身のためじゃない!


退学なんて、冗談じゃないっ!




「でもさ、先輩とあたしらが関わる事なんて無いし。普通に過ごしてればダイジョーブだよ」


「そう…だよね」




もう一度窓の外を見れば、もうそこに人は居なくて先輩ともう1人、髪色の明るい人が居るだけだった。


その先輩がこっちを見ているような気がして息を、呑んだ。




「樺恋?……あ〜!」




急に声を上げた玲菜に驚いて、肩をビクつかせた。


な…なんだ…?




「こら、水城。うるせぇぞ、んで寒ぃから窓閉めろ」




先生にそう注意され、慌てて窓を閉めて椅子に座った。




「玲菜…どうしたの」


「あの!隣に居る人!」




隣に居る人?


人に指は指せないから、興奮したように「あの人!あの人!」と連呼する玲菜の言う人を見た。


その人は…城ヶ崎先輩の隣に居る人だった。




「窪内先輩だよ〜!久しぶりに見た〜っ!!」




きゃっきゃ、と騒ぐ玲菜に先生の鋭い視線が突き刺さり私は苦笑いして玲菜を抑える。




「落ち着いて玲菜…」


「あ、ゴメンゴメン」




そう言って恥ずかしそうに頬を赤らめ、大人しく椅子に座った。