「(人気者はつらいな〜…)」
「桜」
ぼーっと空を眺めていたら、真横で呼ばれたような気がしてそこに顔を向けた。
「オレの授業でぼーっとしてるとはいい度胸だな…?」
「!?」
そこには、担任が教科書を持ってコメカミをピクピクさせて立っていた。
…もしかしてもしかしなくても、当たってた…?
「バツとして、黒板に書いてある式全部解け」
「えええ!!そんな全部なんて…」
「じゃ、宿題多くするか?」
「うっ……やります…」
あの量の宿題を出すなんてこの担任鬼畜だ……!!
ニヒルに笑う担任に、舌打ちをこぼしたくなったのは、ここだけの話。
ま…、ぼーっとしてた私が悪いんだけどさ…。そんな思いで席を立った。

