金持ちくんと貧乏ちゃん




自分でやっておきながら恥ずかしくなって俯いた。




「樺恋?本当にどうしたの?」


「う、ううん!何でもないよっ」




流生先輩の顔を思い出した、なんて死んでも言えないよ…。




「まぁ、何でもいいけど…」


「ほっ、ほら!もう先生入って来たよっ」




慌てて玲菜を前に向かせて、ほっと息をつく。


ああもう…。何でかわからないけど、流生先輩が私の頭の中に出てきたせいだ…。


火照る顔をパタパタと手で仰ぎながら、号令で立ち上がった。




「(昼休み…行くの面倒くさいなぁ…)」




遠いのも一つの理由だけれど、何より…関わりたくない。


だって!あの2人はこの学園のトップみたいなもんでしょ!?


そんな2人に関わったら何があるか…。女子の妬みほど、怖いものはない。