そして、玲菜は“水城”財閥のお嬢様。


まぁ…何ていうか、本人に言ったらとても失礼だがあまりお嬢様っぽくは…ない。




「玲菜、中学はどこだったの?」


「白浜だよ。ここ、小中高エスカレーターだからさ」


「………」




恐るべき、金持ち学校。




「キャーッ!!!」




すると、どこからか悲鳴が聞こえてきた。


え?何…不審者とか?


そう思ってキョロキョロしていたら、玲菜が窓の外を指して言った。(因みに私達は窓際の一番後ろです)




「あの人達が原因っぽいねー…」


「えー?遠くて全然見えないよ…」




窓を開けて見るも、人が多いし遠くてまったく見えない。


玲菜が「あ…」と呟いたのを聞いて、私は首を傾げて玲菜を見つめた。




「玲菜?どうかした?」


「あの人…2年の【城ヶ崎 流生】先輩だよ」


「?……誰?」


「は?…ああ、そっか。樺恋は高等部から入学して来たから知らないんだっけ」




……恐るべし、エスカレーター学校。




「【城ヶ崎 流生(じょうがさきるい)】先輩。2年A組で学園一金持ちで俺様。容姿端麗、スポーツ万能、成績上位者。それに、学園の理事長の孫」


「……へぇ…」


「まぁ、直接的には関係ないんだけど学園の風紀を揃えてるのは城ヶ崎先輩で。先輩が少しでも気に入らない事があれば即刻…退学命令が下される」


「………!?た、退学…!?」