金持ちくんと貧乏ちゃん



「樺恋〜っ、お願いー!!」


「むっ、無理だよー!私なんかに…」


「何言ってるの!?樺恋だからだよ!?」




私だからって何!?私だから無理でしょ!!


う〜っ、と唸っていればいつの間にか担任が教室に入っていた。




「ほら、席付け〜。HR始めるぞー」




その声でバラバラと生徒たちが自分の席に座り始めた。




「また後で話しましょう♪」


「………」




にっこりと笑って前を向く玲菜に何も言えず、ただ苦笑いするしかなかった。


もう…、玲菜ってば輝先輩のことになると人が変わるんだから…。


はぁ、とため息をついてぼーっと先生の話を聞いていた。




「そう言えば、もうすぐテストがあるなぁ。今回も1位を取った者には褒美があると思うから、頑張れよ」




先生はテキトーに言うと、チャイムと同時に教室を出て行った。