金持ちくんと貧乏ちゃん




「樺恋」




朝、私はいつもより早く来て玲菜が来るのを待っていた。


自分なりに考えてみたけれど、やっぱりまとまらなくて昨日の事をありのままに話すことにした。




「あの…昨日の事なんだけどね…」


「うん」




玲菜は相槌を打ちながら聞いてくれたから、すごく話しやすかった。




「そっか…。だから輝先輩に呼ばれたんだ」


「うん…」


「……」




すると玲菜は黙り込んで少し俯いてしまった。


…あ。玲菜、輝先輩のこと好きだったよね…?だったら私、取り返しのつかないことしちゃったんじゃ…!


不安になって玲菜の顔を覗き込もうとしたら、急に顔を上げたから驚いた。