金持ちくんと貧乏ちゃん




「黙れ。仕事増やすぞ」


「!、鬼畜ー!」




くそ〜、なんて言いながら書類を片付けていく輝。これなら、今日中には終わるか…。




「あー!早く明日になんねぇかな!」


「うるさい。寝かせろ」


「はっ!?」




輝がうるさいから、ぜんぜん眠くねえけど寝たふりしとこう。




「流生くんさー、許嫁とかいないんだから自由に恋愛すればいいのにさー」


「………」




独り言なのか、俺に話し掛けてるのか知らないけど喋る口も作業する手も止めずに動かしていた。




「樺恋ちゃんくらい可愛い子だったら、男が自然と寄って来るだろうねぇ〜」


「………」


「流生くん。樺恋ちゃん、誰かにとられちゃうよ?」