そう言いながら私たちの足元に落ちている悲惨な状態になっている教科書に視線がいく。
あ…流生先輩に言う前に輝先輩に見つかってしまった…。
「…何これ、教科書…?」
「…それ、樺恋のなんです」
「は?…どういうこと?」
いつものおちゃらけた雰囲気ではなく、真剣な表情で言う輝先輩に玲菜はゆっくりと話しだした。
流生先輩のファンから嫌がらせを受けていること、それがひどくなっていることすべて。
「何それ…。なんでもっと早く言わなかったの」
「…迷惑、かけたくなくて……」
「ばかだなぁ」
輝先輩はそう苦笑いすると、携帯を取り出しながら私の頭にポンと手を置いた。
「黙ってやりすごされる方が、流生はきっと怒るよ」

