金持ちくんと貧乏ちゃん




「あっ、樺恋!」




教室に戻るとクラスの女子からの冷たい視線が突き刺さりつつ、玲菜に歩み寄った。




「おかえり…。大丈夫だった?」




そう言って心配そうな表情を浮かべる玲菜に、笑みを見せた。




「うん、大丈夫だよ」


「ほんとに…?」


「うん」




先輩から言われたことは一切話さずに、午後の授業を迎えた。


私は窓の外を見つめながら、先輩の言葉が頭からずっと離れなかった。


“これから楽しみね”…その言葉にどんな意味があるんだろう…。


そのままの意味?それともまた別の意味?


でも玲菜に、流生先輩に心配かけないようにしなくちゃ…。


玲菜にはすぐバレちゃいそうだから、顔に出さないように…。


ずっとずっと、そんなことを考えていた…───