金持ちくんと貧乏ちゃん




ぎゅっと握りこぶしを作り、私はゆっくりと目の前にいる先輩に視線を合わせた。




「…別れません。先輩になんて言われても、私は流生先輩と別れる気はありませんから!」




先輩の目を見つめてそう言うと、先輩はふっと小さく笑った。




「そう…。本当に、別れる気はないのね?」


「…はい」




その先輩は目を細めて笑うと、くるっと踵を返した。




「なら、いいわ。…こちらにも手はあるからね」


「…えっ?」




妖艶に笑う先輩に背筋が、ゾッとした。




「これから楽しみね、桜樺恋さん」




そう言って先輩は校舎の方へ戻って行った。


…これから楽しみって、どういう意味…?


何かが起こるのかと思うと目眩がした。