-流生 side-
「やっぱり、写真で見るより生の方が可愛いね」
頬杖をついてにっこりと笑う輝に冷めた視線を送り、溜め息をついた。
…アイツが去ったあとの部屋はどこか寂しい感じがして、違和感がある。
この部屋…こんなモノクロだったか…?
「見た目良し。頭良し。言うこと無しの完璧少女だね」
「家柄以外は、な…」
そう。アイツは何を隠そう、この学校一超が付くほどの貧乏人だ。この学校に入れたのも、奨学金と…おっさんのおかげ。
「まぁまぁ。その辺のお嬢様よりも品格が上だから、いいんじゃない?」
「…そうか?見た目だけだろ」
「あー、そうやってまた誤魔化す!ホントは可愛いと思ってるでしょ?」
ニンマリと笑う輝に、俺は少し首を傾げた。
別に、可愛くないとは思っていない。今まで見てきたどの女よりも可愛いし綺麗だ。
その辺とおんなじ女なら“俺の女になれ”なんて言うわけねぇだろ。

