金持ちくんと貧乏ちゃん




「それはそうと。さっきは何で呼び出されたの?」




詮索するなって言っといてあれだけど…、と苦笑いする玲菜に笑いかけた。


玲菜になら、話してもいいやって思える。




「とりあえず、話すの明日でもいいかな?私も、今日1日でいろいろありすぎて整理つかなくて…」




頬を掻きながら苦笑いを浮かべると、玲菜は慌てて手を左右に振った。




「いやそんな!唐突に聞いたあたしも悪いし。何かあったらちゃんと教えてね?」




綺麗に微笑んでそう言ってくれる玲菜に幾分か心が救われた。


今日は玲菜に感謝してばかりだなぁ…。今度何か奢ってあげよう。


でも…明日から旧校舎に行かなきゃいけないんだっけ…。


話す時間、あるかな。とりあえず、今日あった事をちゃんと自分の中でまとめて玲菜に話さなきゃ。


そう思いながら、6限目が始まった。