でも、“何でも言うこと聞く”って言っちゃったしなぁ…。それに、玲菜に流生先輩には逆らわない方がいいって聞いたし…。
私にはどうにもできない。このまま流生先輩に従った方が身のためなのかなぁ…。
ただ、さっきの先輩の顔が頭から離れないのは何でだろう…。
―――ガラッ
教室の扉を開けると、クラス中の視線が私に向いた。
……あ、もう5限目始まっちゃってたんだ!?旧校舎にいたから全然チャイムの音聞こえなかった…。
「桜、10分遅刻だ」
「す…すいません…」
数学の先生にギロッと睨まれ、大人しく席についた。
机に広げたままだったお弁当箱はどうやら玲菜が片付けてくれたみたいだ。
しかもご丁寧に数学の教科書とノートまで出してくれてて…。感謝してもしきれないくらいだ。
「今日はここまで」
無事数学も終わり、一息ついたときふと疑問が浮かんできた。
先輩たち…授業ちゃんと出たのかな…?

