家族揃って見送られ、なんとも言えないキモチになった。
ほんとはひっそり出て行ってひっそり帰って来るつもりだったのにな…。いつの間にこんな大事になってるんだか……。
「樺恋さん、お借りしますね」
「ええ、ええ!どうぞっ」
私は溜め息をついて、ゆっくりと車に乗り込んだ。
そして後から流生先輩が乗り込む。
しばらくして車が動き始め、私は深く椅子に座った。
…なんか一気に疲れた…。
「お前ん家、元気だな」
「騒がしいだけですよ…」
あはは、と乾いた笑みをこぼして流生先輩の方を見た。
うっわ…。
「…何」

