金持ちくんと貧乏ちゃん





肩をぐいっと引き寄せて笑いかけて来る先輩に、顔が青ざめた。


ま、まじですか…!!




「うふふ、ごゆっくりどうぞ〜」


「もうっ!」




テーブルの上に置いていたカバンを引っ掴んで、家の外に出た。




「おはようございます、樺恋様」


「おお、おはようございます…」




車の前にいた執事服を身にまとったおじさんに頭を下げられ、私もつられてぺこっと頭を下げた。


み、見慣れない……!!




「樺恋ー、楽しんでくるのよ〜」


「ねーね!おみやげ期待してる!」


「おれも」


「……」