「別に怒ってねぇよ」
「そうそう!元からこんな顔……っいて!」
「うるせぇ。黙っとけ」
流生先輩は近くにあったクッションを輝先輩に投げつけると、そっぽ向いてしまった。
そんな先輩を見て可愛いと思ったり…。
「まぁ…さ。明日から来てやってくれない?」
輝先輩は投げつけられたクッションを持って、苦笑いで私に言ってきた。
……そんな顔で言われると、断りたくても断れないじゃない…。
「……わかりましたよ」
「じゃあ、また明日お昼にね?」
輝先輩にバイバイと手を振られ、小さく頭を下げた。
そしてちらっと流生先輩を盗み見れば先輩も私を見ていて…。小さく口パクで“またな”って言ったのがなんとなくわかった。
そんな姿にドキッとしてそそくさと逃げるようにして校長室を出た。
はぁ…、一体なんだったんだ…。急に呼び出されたと思えば“俺の女にしてやる”なんて言われるし…。
第一、先輩私のこと何も知らないハズなのに…。私だって先輩のこと多く知ってる訳でもない。
それなのに…。
「どう考えたっておかしいよ…」

