「妹の服は……、姉貴のでいいか」
「…流生先輩、お姉さんいるんですか?」
「ああ、口うるさい姉がひとりな」
口うるさいって……。
でも、流生先輩のお姉さんってどんな人なのかなあ…。やっぱ先輩に似て綺麗だったりするのかな…。
「会ってみたいなあ…」
「……は?」
流生先輩は心底いやそうな顔をして私を見つめて来た。
……なに?
「いや、会わなくていいから」
「へ?」
「会ったらこの世の終わりだと思え」
「!?!?」
自分のお姉さんのことそこまで言う?!
その後、お姉さんの話は1回も出て来ることはなかった……。

