私がそう言うと先輩は「ああ…」と頷いた。
「自分の服じゃねえんだ」
「私は、いいんです。最近遊び盛りでよく服を汚して帰って来るんですよね…」
服のローテーションもあまり出来ないからちょっと困る。
「弟、いるんだっけ」
「あ、はい!」
「俺のお下がりでもよければ服やろうか」
「えっ!?」
ガキの頃の服なんて腐るほどあるしな。
そう呟いておもむろに携帯を取り出す流生先輩。
「あの…でも、ほんとにいいんですか…?」
「ああ。あっても邪魔だしな」
「そうですか…」
私も言ってみたいよ、服があっても邪魔とか……。

