金持ちくんと貧乏ちゃん





私が少し、不安な顔を浮かべるとそれにっ気がついた先輩がにこっと笑った。




「いいよ。デート、するか」


「!、ほんと!?」


「ああ。行く場所は俺が決めていいか?」


「はいっ!」




よしよし、と頭を撫でられたのは恥ずかしかったけれど、玲菜の言う通りデートの誘ってよかった…!!


はじめて流生先輩とデートできる……!




「お前、ほんとに行きたいとこないのか?」


「えっ?」


「行きたいとこ。例えば買い物したい、とか何か見に行きたいとか…」


「う〜ん……」




考えても考えても、何も思い浮かばない。


でも、強いて言うなら…。




「妹達の服は、欲しいかなあ……」