金持ちくんと貧乏ちゃん




「なんつー声出してんだよ」




くく、と喉で笑い自分の隣をポンポンと叩いた。




「そっちに居ないでこっち来い」


「へっ…」




早く、と促してくる先輩に従ってお弁当を持って立ち先輩の隣に座った。


……少し、間隔を開けて。




「…何で離れてんだよ」


「え!?いや、先輩の気のせいじゃ…」




座った途端に不機嫌声でそう言われ、目線をさまよわせれば「ふぅん」と怪しげな声が聞こえた。


…これは、もしかして危ない……?




「俺から離れていいと思ってんのか?」


「!?」